チャンドラーの長編を村上春樹訳で、長いお別れ、さよなら愛しい人、大いなる眠り、そして4作目として本作、という順番で読みました。すでに、リトルシスター、湖中の女、プレイバックも購入済みで今から読みます。
今のところ、私は本作が一番好きだと思います。
理由は、プロットに破綻が無いこと、暴力シーンが少ないこと、そしてなんといっても、人物描写が上手く、その人のことを知っているような気になるくらいに理解できる点です。
富豪の依頼人、その出来の悪い子ども、裏社会のボス的な人物とその大柄な用心棒、そしておなじみの警察とのやり取り。また、ブラッシャーダブルーンという偽造硬貨を巡る話でもあり、スリリングで続きが気になります。ああ、これがハードボイルドよなあ、と感じます。
他の作品もはやく読みたくなりました。
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高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-15) 文庫 – 2016/9/8
レイモンド・チャンドラー
(著),
村上 春樹
(翻訳)
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探偵マーロウは頑迷な老女から義理の娘を探してほしいと依頼される。だが彼の行く手には脅迫と、そして死体が……。待望の新訳版
- 本の長さ415ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2016/9/8
- 寸法10.7 x 1.7 x 15.7 cm
- ISBN-104150704651
- ISBN-13978-4150704650
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2016/9/8)
- 発売日 : 2016/9/8
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 415ページ
- ISBN-10 : 4150704651
- ISBN-13 : 978-4150704650
- 寸法 : 10.7 x 1.7 x 15.7 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 147,748位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 218位ハヤカワ・ミステリ
- カスタマーレビュー:
著者について
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1888年シカゴ生まれ。7歳のころ両親が離婚し、母についてイギリスへと渡る。名門ダリッチ・カレッジに通うも卒業することなく中退。
1912年アメリカへ戻り、いくつかの職業を経たのち、1933年にパルプ雑誌《ブラック・マスク》に寄稿した短篇「ゆすり屋は撃たない」で作家デビューを飾る。
1939年には処女長篇『大いなる眠り』を発表。同書の主人公、私立探偵フィリップ・マーロウは、永遠のアイコンとなった。1953年に発表した『ロング・グッドバイ』で、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞の最優秀長篇賞を受賞した。1959年没。享年70。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年9月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アメリカの作家レイモンド・チャンドラー(1888 - 1959)が1942年に発表した、〈私立探偵フィリップ・マーロウ〉シリーズ第3作 “The high window” の邦訳。本書は村上春樹氏により2014年出版された新訳の文庫化です。
あとがきで村上氏が指摘するとおり、本作はプロットに難があるチャンドラー作品のなかでは比較的破綻の少ない作品です。それでもやはり、プロットやレトリックをひねりすぎてチャンドラー自身の手にあまっているのが伝わる箇所もあります。シリーズのなかではバイオレンス描写がおとなしめで、物語の起伏もさほど大きくありません。
けれどワイズクラックを放つ私立探偵、失踪した美女、秘密を抱えた富豪、裏社会の大立者など、ハードボイルドお約束のモチーフが散りばめられており、探偵小説好きであれば読んでいてワクワクせざるをえないはず。チャンドラーお得意の、社会の矛盾を告発する舌鋒の鋭さも、イメージ喚起力に優れた比喩の豊かさも健在です。
個人的に好きなのが、マーロウが高級ゲイテッドコミュニティを訪れる箇所。圧倒的な格差が存在する資本主義社会に対して、マーロウが警備員と交わし合う皮肉。高慢ちきな金持ちに侮辱されたバーテンダーに向ける、マーロウの優しさ。辛辣さとあたたかさを同居させ、たえずユーモアを忘れないマーロウのキャラクターがよく表れています。高潔な精神を宿し不条理な世界に立ち向かう姿は、作中で言及されるとおり、まさしく「時代遅れの騎士ギャラハッド」です。
シリーズ全7作品のうち、村上氏の手による翻訳はこれで5冊目。氏の訳文も作品を重ねるごとに、チャンドラーの文体になじんできているように感じられます。残り2冊を翻訳する意欲もあるようで、全巻完訳される日をこころ待ちにしています。
(以下、訳文について)
本作には村上訳の前に、田中小実昌訳(早川書房、1959年)、清水俊二訳(早川書房、1989年)があります。マーロウの一人称を「おれ」と訳した田中訳を読んだことがありませんが、本作が最後の仕事になった清水氏の訳にはお世話になりました(残された部分を引き受けたのは弟子の戸田奈津子氏)。
清水訳は今読んでも通用する日本語で訳されており、村上訳とどちらがいいかは読者の好みによると思います。ただ評者の印象としては村上訳のほうが清水訳よりも、マーロウの皮肉っぽさが強調されており、地の文では長めの原文が自在に区切られていると感じました。たとえば、
“There was a heavy scent of summer on the morning and everything that grew was perfectly still in the breathless air they get over there on what they call a nice cool day”(原文)
「夏の朝の匂いが強く鼻をつき、目にうつるものすべてが、このへんの人々の口ぐせになっている “さわやかに晴れわたった日” の静止した空気の中で完全に動きを止めていた」(清水訳、p.5)
「夏のもったりとした匂いがする朝だった。植物と名の付くものはすべて、淀んだ空気の中でぴくりとも動かなかった。そういうのがこの辺りでは「爽やかで気持ちの良い日」と呼ばれている」(村上訳、p.5)
全体的に見れば、村上訳は(会話文もふくめて)あえて直訳調の日本語に置き換える傾向があるため、清水訳のほうがリーダビリティでは上かもしれません。また、村上訳では彼の翻訳でおなじみの、「クール」など英単語をそのままカタカナに移し替えた村上節がうかがうことができます。たとえば、
“If you hire me, you’ll get all the delicacy i have. If I don’t have enough delicacy, maybe you’d better not hire me. For instance, I take it you don’t want your daughter-in-law framed. I’m not delicate enough for that”(原文)
「あなたが雇ってくださるのなら、仕事に支障のないかぎり、できるだけこまかく神経を働かせるつもりです。私がそれだけのこまかい神経を持っていないなら、私をお雇いにならぬ方がいいでしょう。たとえば、あなたはおそらく息子さんの嫁に罠をかけることに反対なさる。私はそこまで気を使うわけにいきません」(清水訳、p.22)
「もし私を雇うのであれば、あなたは私の持てるかぎりのデリカシーを手にいれることになります。もしそれだけでは十分でないというのであれば、私を雇うのはよした方がいいでしょう。たとえば、あなたは息子さんの奥さんを罪に陥れたいなんて思ってもいないと私は考えます。その裏を読めと言われても、こちらとしてはそこまでデリケートにはなれません」(村上訳、p.26)
ほかにパッと目につくところでは、清水訳では原文のフィートやマイルの単位はそのままですが、村上訳ではメートルやキロの単位に変更されています。清水訳で削除されている箇所が、村上訳では訳出されているばあいもありました。たとえば、
“He has a bodyguard who is quite a character. His name’s Eddie Prue, he’s about six feet five inches tall and thin as an honest alibi. he has a frozen eye, the result of a war wound”(原文)
「ボディガードはひと癖ある男で、エディ・プルーって名だ。六フィート五インチほどの長身でやせていて、戦傷で片目がつぶれてる」(清水訳、p.47)
「彼には一人ボディーガードがついているが、こいつが見ものだ。エディー・プルーという名前で、身長は二メートル近くあり、正直なアリバイみたいにやせ細っている。戦傷のために片方の目は動かない」(村上訳、p.56)
たしかに “thin as an honest alibi” という表現は意味がとりづらく、“as an honest alibi” が清水訳で削られたのもわかる気がします。一方で、村上訳では削られることなくストレートに訳されていました。
あとがきで村上氏が指摘するとおり、本作はプロットに難があるチャンドラー作品のなかでは比較的破綻の少ない作品です。それでもやはり、プロットやレトリックをひねりすぎてチャンドラー自身の手にあまっているのが伝わる箇所もあります。シリーズのなかではバイオレンス描写がおとなしめで、物語の起伏もさほど大きくありません。
けれどワイズクラックを放つ私立探偵、失踪した美女、秘密を抱えた富豪、裏社会の大立者など、ハードボイルドお約束のモチーフが散りばめられており、探偵小説好きであれば読んでいてワクワクせざるをえないはず。チャンドラーお得意の、社会の矛盾を告発する舌鋒の鋭さも、イメージ喚起力に優れた比喩の豊かさも健在です。
個人的に好きなのが、マーロウが高級ゲイテッドコミュニティを訪れる箇所。圧倒的な格差が存在する資本主義社会に対して、マーロウが警備員と交わし合う皮肉。高慢ちきな金持ちに侮辱されたバーテンダーに向ける、マーロウの優しさ。辛辣さとあたたかさを同居させ、たえずユーモアを忘れないマーロウのキャラクターがよく表れています。高潔な精神を宿し不条理な世界に立ち向かう姿は、作中で言及されるとおり、まさしく「時代遅れの騎士ギャラハッド」です。
シリーズ全7作品のうち、村上氏の手による翻訳はこれで5冊目。氏の訳文も作品を重ねるごとに、チャンドラーの文体になじんできているように感じられます。残り2冊を翻訳する意欲もあるようで、全巻完訳される日をこころ待ちにしています。
(以下、訳文について)
本作には村上訳の前に、田中小実昌訳(早川書房、1959年)、清水俊二訳(早川書房、1989年)があります。マーロウの一人称を「おれ」と訳した田中訳を読んだことがありませんが、本作が最後の仕事になった清水氏の訳にはお世話になりました(残された部分を引き受けたのは弟子の戸田奈津子氏)。
清水訳は今読んでも通用する日本語で訳されており、村上訳とどちらがいいかは読者の好みによると思います。ただ評者の印象としては村上訳のほうが清水訳よりも、マーロウの皮肉っぽさが強調されており、地の文では長めの原文が自在に区切られていると感じました。たとえば、
“There was a heavy scent of summer on the morning and everything that grew was perfectly still in the breathless air they get over there on what they call a nice cool day”(原文)
「夏の朝の匂いが強く鼻をつき、目にうつるものすべてが、このへんの人々の口ぐせになっている “さわやかに晴れわたった日” の静止した空気の中で完全に動きを止めていた」(清水訳、p.5)
「夏のもったりとした匂いがする朝だった。植物と名の付くものはすべて、淀んだ空気の中でぴくりとも動かなかった。そういうのがこの辺りでは「爽やかで気持ちの良い日」と呼ばれている」(村上訳、p.5)
全体的に見れば、村上訳は(会話文もふくめて)あえて直訳調の日本語に置き換える傾向があるため、清水訳のほうがリーダビリティでは上かもしれません。また、村上訳では彼の翻訳でおなじみの、「クール」など英単語をそのままカタカナに移し替えた村上節がうかがうことができます。たとえば、
“If you hire me, you’ll get all the delicacy i have. If I don’t have enough delicacy, maybe you’d better not hire me. For instance, I take it you don’t want your daughter-in-law framed. I’m not delicate enough for that”(原文)
「あなたが雇ってくださるのなら、仕事に支障のないかぎり、できるだけこまかく神経を働かせるつもりです。私がそれだけのこまかい神経を持っていないなら、私をお雇いにならぬ方がいいでしょう。たとえば、あなたはおそらく息子さんの嫁に罠をかけることに反対なさる。私はそこまで気を使うわけにいきません」(清水訳、p.22)
「もし私を雇うのであれば、あなたは私の持てるかぎりのデリカシーを手にいれることになります。もしそれだけでは十分でないというのであれば、私を雇うのはよした方がいいでしょう。たとえば、あなたは息子さんの奥さんを罪に陥れたいなんて思ってもいないと私は考えます。その裏を読めと言われても、こちらとしてはそこまでデリケートにはなれません」(村上訳、p.26)
ほかにパッと目につくところでは、清水訳では原文のフィートやマイルの単位はそのままですが、村上訳ではメートルやキロの単位に変更されています。清水訳で削除されている箇所が、村上訳では訳出されているばあいもありました。たとえば、
“He has a bodyguard who is quite a character. His name’s Eddie Prue, he’s about six feet five inches tall and thin as an honest alibi. he has a frozen eye, the result of a war wound”(原文)
「ボディガードはひと癖ある男で、エディ・プルーって名だ。六フィート五インチほどの長身でやせていて、戦傷で片目がつぶれてる」(清水訳、p.47)
「彼には一人ボディーガードがついているが、こいつが見ものだ。エディー・プルーという名前で、身長は二メートル近くあり、正直なアリバイみたいにやせ細っている。戦傷のために片方の目は動かない」(村上訳、p.56)
たしかに “thin as an honest alibi” という表現は意味がとりづらく、“as an honest alibi” が清水訳で削られたのもわかる気がします。一方で、村上訳では削られることなくストレートに訳されていました。
2023年7月2日に日本でレビュー済み
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ヒースクリフという名の大型コッカー・スパニエルが不気味。高い窓からの転落事故がある家族のその後にどんな影響を与えたか。三軒の殺人事件の捜査からそれが解明される。見事なダンス、レイモン・チャンドラー! 歯科技工士がレア金貨の偽造を行うくだり、もっとちゃんと調べて翻訳して欲しかった。原文不確かに見えるが、作者がここで手抜きをしているとは考えられない。あるいは現実の事件があったか?
2018年11月18日に日本でレビュー済み
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戦前の1942年に発売された、チャンドラーの全7長編中3番目の作品。
資産ある未亡人、そこで働く陰りある臆病な女、出来の悪い息子、そのダンサー上がりの逃げた嫁、女や人を食い物にする男、等々、キャラクターがそれぞれの生きざまを見せる中で、
人の恐怖、不安、親子愛、男女の愛や結婚観、強欲、殺人欲求、性暴力による精神破壊と救済が描かれた傑作探偵ミステリだと思います。
個人的にはマーロウの優しさ、救済が心に沁みました。
蛇足ですが、偽造金貨と救済という設定は宮崎駿さんの『カリオストロの城』に幾分影響をもたらした気がします。チャンドラーの『さらば愛しき女よ』そのままに宮崎駿さんの『さらば愛しきルパンよ』という作品は宮崎さんのチャンドラーへのオマージュかも知れません。
優れた芸術が優れた芸術家を刺激し、新たな素晴らしい芸術が生まれる。翻訳頂いた村上春樹さんに感謝です。
資産ある未亡人、そこで働く陰りある臆病な女、出来の悪い息子、そのダンサー上がりの逃げた嫁、女や人を食い物にする男、等々、キャラクターがそれぞれの生きざまを見せる中で、
人の恐怖、不安、親子愛、男女の愛や結婚観、強欲、殺人欲求、性暴力による精神破壊と救済が描かれた傑作探偵ミステリだと思います。
個人的にはマーロウの優しさ、救済が心に沁みました。
蛇足ですが、偽造金貨と救済という設定は宮崎駿さんの『カリオストロの城』に幾分影響をもたらした気がします。チャンドラーの『さらば愛しき女よ』そのままに宮崎駿さんの『さらば愛しきルパンよ』という作品は宮崎さんのチャンドラーへのオマージュかも知れません。
優れた芸術が優れた芸術家を刺激し、新たな素晴らしい芸術が生まれる。翻訳頂いた村上春樹さんに感謝です。
2021年12月2日に日本でレビュー済み
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レイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウシリーズを読む時は、行儀悪いとお叱りを受けそうですが、いつも炭酸割を飲むことにしています。この『高い窓』を読み終えた後は、実に心地よい酩酊感に浸る事ができました。
裕福で抑圧的な家庭に端を発した盗難事件に絡む殺人事件が、マーロウの大胆にして慎重な推理と行動力で解きほぐされていく様が、村上春樹氏の妙訳で味読できる心地よさは格別です。
マーロウの粋な言葉と配慮に脱帽。
裕福で抑圧的な家庭に端を発した盗難事件に絡む殺人事件が、マーロウの大胆にして慎重な推理と行動力で解きほぐされていく様が、村上春樹氏の妙訳で味読できる心地よさは格別です。
マーロウの粋な言葉と配慮に脱帽。
2018年6月6日に日本でレビュー済み
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文庫本にしては字が大きくて読みやすいし、表紙もすっきりしていてよい。なぜ村上春樹が翻訳したのか分かった気がした。レイモンドチャンドラーが描く情景描写が、村上春樹にとってすごく好みで、作品を書く参考になったのだろう。
2019年1月11日に日本でレビュー済み
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生活感のある処理がしてあり、満足!内容もダイナミックで、高3程度の人なら辞書なしでも読める?
2016年11月8日に日本でレビュー済み
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村上さんの小説は同にもなじめませんが、チャンドラーの翻訳は実に面白いです。今までのほかの人の翻訳ものはかなり端折っていたからかもしれません。翻訳者に夜のでしょうね。