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墨子よみがえる (平凡社新書) 新書 – 2011/6/16
半藤 一利
(著)
現代に非戦や愛を説き続けることは、理想を語るにすぎないのか? 2500年前に「兼愛」「非攻」をとなえた墨子の思想が今こそ日本そして世界を救う、そう確信する筆者が熱く語る“墨子のすすめ”。
- 本の長さ223ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日2011/6/16
- ISBN-10458285589X
- ISBN-13978-4582855890
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登録情報
- 出版社 : 平凡社 (2011/6/16)
- 発売日 : 2011/6/16
- 言語 : 日本語
- 新書 : 223ページ
- ISBN-10 : 458285589X
- ISBN-13 : 978-4582855890
- Amazon 売れ筋ランキング: - 247,127位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1930年、東京・向島生まれ。
東京大学文学部卒業後、文藝春秋入社。松本清張、司馬遼太郎らの担当編集者をつとめる。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、取締役などをへて作家。「歴史探偵」を名乗り、おもに近現代史に関する著作を発表。
著書は『日本の一番長い日』、『漱石先生ぞな、もし』(正続、新田次郎文学賞)、『ノモンハンの夏』(山本七平賞)、『幕末史』など多数。『昭和史 1926-1945』『昭和史 戦後篇 1945-1989』で毎日出版文化賞特別賞を受賞。
イメージ付きのレビュー

5 星
墨子は、徹底した非戦論者・平和主義者だった
浅学にして、私は墨子という名は知っていたが、どういう思想を説いたのかは知りませんでした。『墨子よみがえる――「非戦」への奮闘努力のために』(半藤一利著、平凡社ライブラリー)のおかげで、墨子がどういう人物であったか、その思想はどういうものであったか――を理解することができました。著者は、ここが『墨子』の一番肝腎なところだと、敬愛する駒田信二の墨子評を引用しています。「墨子はまず幸福な生活の根本は人々が互いにひとしく愛しあうことにあるとした。兼愛の説がそれである。愛の普遍を求めるならば当然平和を求める。そこから、侵略を非とする非攻が主張された。兼愛の根拠として、墨子は主宰者としての天を認め、神の存在を認めた。そして、万物の主宰者として天があるように万民の主宰者としての君主を認め、天が万物を平等に育成するように、君主が万民にひとしく福利を与えることが、天の意志であり、神の心にそうことであると説いた。これが天志の論であり、明鬼の説である」。「およそ墨子のことを少々なりとも知っている人は、『非戦』の思想とともに、普遍的人類愛のことを説いた『兼愛』の二字を想いうかべるにちがいない。この独自の人類愛的な理念にもとづいてその上に、墨子は非戦論、平和論を強く主張するのである」と、非戦論者・平和主義者の半藤一利だけに、力が籠もっています。「墨子は、人類がみんな平等に愛し合い、差別することなく認め合い、お互いの利益のために汗水流して尽くし合いさえすれば、この世から愚かな戦争はなくなる、と説き、それを実践遂行したのである」。「墨子は、あに侵略戦争のみならんや、骨の髄から戦争そのものを嫌った。いかなる戦争にも正義はない、と説きに説いた。戦争をなくそうと主張した。攻めるほうにも守るほうにも戦いをして何一つ利するものはない、害あるのみ、と説いた。ただいたずらに人びとの生活が破壊され、大量の物資が消費され、何の罪もない人の生命が奪われるのみ。治国平天下、ヒューマニズム(兼愛)によって平和を維持して、人びとを安穏幸福たらしめよう、それこそが人間のなすべきところ、と墨子はひたすら奮闘努力しつづけたのである」。著者は、「現代日本に墨子が存在するとすれば、それは中村哲さんをおいて他にいない」と断言しています。アフガニスタンで灌漑事業を推進し、2019年に銃撃されて死亡した医師・中村哲です。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年10月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
半藤さんの文章は脱線が多すぎるけど面白く読みました。
墨子、中村哲さんについて、もっと知りたくなりました。
またAmazonに貢ぐことになりそうです。
墨子、中村哲さんについて、もっと知りたくなりました。
またAmazonに貢ぐことになりそうです。
2023年9月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
難しい漢字が多く理解できないところが多少ある。考え方は同調するところが多い。
2022年3月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
少しくどいかなという印象はありますが墨子という人の考えがわかり易く書かれています。
2022年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今必要な本です。2500年の教えを今学んでいるということは、人間は進歩していないということなのか?
2022年6月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一人ひとりが、私欲ではなく互いに役立とうと一生懸命に生きる。
相手の攻めに対して、それを打ち消す防御方法を生み出すため、学びや研究を大切にしながら、身の回りに争いの種を撒かないよう、摘みながら生きていく。
何より私たちが忘れがちな、身の丈にあった慎ましやかな日常生活、相互に思いやる心、日常への感謝が大事なのではないかと考えました(欲は膨らみ続けるので)。
(事故が起こった時にトラブルなく止められないけど、便利だからと使っているようなものは、人の手に余るものだから使うべきではないのでは?)
相手の攻めに対して、それを打ち消す防御方法を生み出すため、学びや研究を大切にしながら、身の回りに争いの種を撒かないよう、摘みながら生きていく。
何より私たちが忘れがちな、身の丈にあった慎ましやかな日常生活、相互に思いやる心、日常への感謝が大事なのではないかと考えました(欲は膨らみ続けるので)。
(事故が起こった時にトラブルなく止められないけど、便利だからと使っているようなものは、人の手に余るものだから使うべきではないのでは?)
2021年7月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2021年7月3日(土)毎日新聞朝刊の「今週の本棚」に掲載されていた半藤一利著『墨子よみがえる』を、文芸評論家の湯川豊氏が紹介していた。
書評の書き出しで「今年の1月に逝去した半藤一利の遺書のような一冊である・・・云々」と読んで、半藤好きな評者が迂闊にもまだこの本を読んでないので早速入手して読むことにした。
湯川氏の書評のなかに半藤夫人の近著『硝子戸のうちそと』で、半藤氏が亡くなった日の真夜中、「墨子を読みなさい。二千五百年前の中国の思想家だけど、あの時代に戦争をしてはいけない、と言ってるんだよ。偉いだろう」といった、と書かれているからだ。夫人はそれを遺言と受けとめている。
半藤夫人の「遺言と受けとめている」という言葉の重さを感じながら本書『墨子よみがえる』を読み始めたのです。
評者も墨子という名前は知ってはいたが、その人の思想など今まで知らなかった。
墨子の思想の核心は「兼愛」であり、儒教などと一線を画している普遍的な人類愛としての「非戦(非攻)」を説き、墨子が他の思想家と異なるのは、説くのみならず「有言実行」したことであることを本書で知ることができた。
本書のなかで雑談として半藤さんが語った放浪の画家の山下清に扮して、小林桂樹が絶妙な演技をみせた映画『裸の大将』(1958年)を観ながら、思わず高笑いしたあとで胸がシーンと冷えてきたセリフのことを語っている。
木村洋子さんが、この映画のシナリオを書く前に、知的障害の男性を主人公にした落語と芝居を、何度も聴いたり観たりしたと後で知り、どうりでこの映画のセリフは、神経がすみずみまで見事に行きとどいてあざやかな切れ味をみせていた、と語っている。
半藤さんが、そのなかの一つの例をあげていたので下に転載したい。(P215~216)
阿武田駅前(戦時中のシーン。出征兵士を送る軍歌をバックにして)
清「戦争に行くと、命をといられるのだな。命をとられると死んでしまうからな。人間の一番大事なものは命で命より大切なものはないな」
いっちゃん「わかってら、そんなこと・・・・・お前も征くんだぞ」
清「死ぬのは、なにより一番つらいな」
いっちゃん「男?そいでも、あんた」
清「はい、男に生まれて損したな」
なべさん「死ねば、靖国神社に祀られて神様になるんだぞ。勲章ももらえるんだぞ」
清「普通に死ねば仏様で、戦争で死ねば神様になるんだな・・・・・ふしぎだな」
このあと半藤さんは、戦時下の日本では戦死したら神様になると思いこまされていたと語り、山下画伯こそ正常であって、大多数の日本人のほうが“知的障害者„であったといわざるをえない気持ちになっている、と慨嘆している。
墨子の非戦論の骨子は「非人間的になるなかれ」につきるのである。
半藤さんが、墨子の「有言実行」の精神を本書のなかで熱く語り、徹頭徹尾「平和主義」の半藤さんならではの遺言だと肝に銘じて本書『墨子よみがえる』を感慨深く読み終えました。
書評の書き出しで「今年の1月に逝去した半藤一利の遺書のような一冊である・・・云々」と読んで、半藤好きな評者が迂闊にもまだこの本を読んでないので早速入手して読むことにした。
湯川氏の書評のなかに半藤夫人の近著『硝子戸のうちそと』で、半藤氏が亡くなった日の真夜中、「墨子を読みなさい。二千五百年前の中国の思想家だけど、あの時代に戦争をしてはいけない、と言ってるんだよ。偉いだろう」といった、と書かれているからだ。夫人はそれを遺言と受けとめている。
半藤夫人の「遺言と受けとめている」という言葉の重さを感じながら本書『墨子よみがえる』を読み始めたのです。
評者も墨子という名前は知ってはいたが、その人の思想など今まで知らなかった。
墨子の思想の核心は「兼愛」であり、儒教などと一線を画している普遍的な人類愛としての「非戦(非攻)」を説き、墨子が他の思想家と異なるのは、説くのみならず「有言実行」したことであることを本書で知ることができた。
本書のなかで雑談として半藤さんが語った放浪の画家の山下清に扮して、小林桂樹が絶妙な演技をみせた映画『裸の大将』(1958年)を観ながら、思わず高笑いしたあとで胸がシーンと冷えてきたセリフのことを語っている。
木村洋子さんが、この映画のシナリオを書く前に、知的障害の男性を主人公にした落語と芝居を、何度も聴いたり観たりしたと後で知り、どうりでこの映画のセリフは、神経がすみずみまで見事に行きとどいてあざやかな切れ味をみせていた、と語っている。
半藤さんが、そのなかの一つの例をあげていたので下に転載したい。(P215~216)
阿武田駅前(戦時中のシーン。出征兵士を送る軍歌をバックにして)
清「戦争に行くと、命をといられるのだな。命をとられると死んでしまうからな。人間の一番大事なものは命で命より大切なものはないな」
いっちゃん「わかってら、そんなこと・・・・・お前も征くんだぞ」
清「死ぬのは、なにより一番つらいな」
いっちゃん「男?そいでも、あんた」
清「はい、男に生まれて損したな」
なべさん「死ねば、靖国神社に祀られて神様になるんだぞ。勲章ももらえるんだぞ」
清「普通に死ねば仏様で、戦争で死ねば神様になるんだな・・・・・ふしぎだな」
このあと半藤さんは、戦時下の日本では戦死したら神様になると思いこまされていたと語り、山下画伯こそ正常であって、大多数の日本人のほうが“知的障害者„であったといわざるをえない気持ちになっている、と慨嘆している。
墨子の非戦論の骨子は「非人間的になるなかれ」につきるのである。
半藤さんが、墨子の「有言実行」の精神を本書のなかで熱く語り、徹頭徹尾「平和主義」の半藤さんならではの遺言だと肝に銘じて本書『墨子よみがえる』を感慨深く読み終えました。